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から約13年前の1998年、当時23歳の私は「中小企業の経営に貢献したい」という夢と理想に燃えて会計事務所に就職しました。
しかし、現実は夢や理想とはほど遠いものでした。他の多くの会計事務所と同様、来る日も来る日も朝から晩までお客様の領収書の整理や会計伝票の作成代行に明け暮れていました。
業務の大半が伝票整理で終わってしまうため、大学や専門学校で学んだ税務・会計の専門知識を発揮する余裕がなく、自分が選んだ仕事が、本当に中小企業経営の役にたっているのか、という疑問が常に頭から離れませんでした。

2008年の8月に当時勤務していた会計事務所に「会計で会社を強くする」という1冊の本が株式会社TKCから届きました。この1冊の本との出会いが私の仕事に対する姿勢を大きく変えることになりました。
そして幸運にもその翌年には、その本の著者であるTKC会員で税理士の坂本孝司先生の静岡にある事務所に訪問させて頂く機会を頂きました。
今では、私が最も尊敬する税理士の一人であります坂本先生との出会いにより、会計事務所就職以来頭をよぎる疑問が解消し、ようやくこれが正しいと思える結論にたどり着きました。

「事業者はなぜ記帳し、決算書を作らなくてはいけないのか」今はこの問いにはっきりと答えることができます。
『それは倒産を防止するため、経営者が自らに報告するため』です。

17世紀のフランスは大不況で倒産の嵐でした。これを食い止めるために法律を作ったのですが、その内容は「正しい記帳と決算をしない事業者は死刑に処する」という厳しい法律でした。つまり当時のフランス政府は、死刑を担保にしてまでも事業者に倒産を防ぐための正しい決算を求めていたのです。
「日々の記帳は、自社を守るための証拠づくりである」「決算は倒産を防止し逞しく勝ち残るためにある」という簿記会計の本質からさらにもう一歩踏み込んで、「お客様が簿記会計を自ら実践できるように、また経営者自らが会計を理解することができるように、徹底して支援申し上げること」これが会計事務所の本来の使命です。
私は中小企業経営の支援、しいては産業界全体の支援に貢献できる税理士を目指したいと思います。